シン・ゴジラ見てきました。
一言で表すなら、『これ、すごいね…』
面白い、つまらない。
の枠では収まらない。
当然、面白いのだが、それ以上に、『凄い…』
という言葉が似合う。
現実(ニッポン) 対 虚構(ゴジラ)
のキャッチコピー通り。
本場のゴジラオタからすると
ゴジラ映画全部見てるぜ、とか言いつつ、
旧ハリウッド版(やっぱりマグロを食ってる奴は駄目だなの奴)の続編のアニメシリーズ・ゴジラザシリーズを見てないニワカなブログ主なので
語るのは少し躊躇するけど、
まさにシン・ゴジラは新しい新次元のゴジラというのに相応しい。
2004年、ゴジラ50周年の時に公開されたゴジラ・ファイナルウォーズ。
これは、ゴジラが50年目だから、
新しく進歩したゴジラ作ろうとするも現在の技術では新しいゴジラを作ることは出来ないという結論に達し、最後にお祭り的なゴジラを作るとして制作された東宝の特撮の集大成として製作された事実上のゴジラ映画に対する白旗を挙げた作品。
内容は、ところどころ頑張っているところはあるのだけど、ラスボスがモンスターXとかいうウルトラ怪獣っぽいのが出てきたりして非常に残念。そして、ゴジラ映画の限界を感じされる作品だった。
その後、60周年として2014年ハリウッド版のゴジラ(通称ギャレゴジ)が進歩させるゴジラとして期待されたが、ふたを開いてみたら、面白いけど、CGを使っただけの.vsゴジラの延長じゃん…という、進歩言い切るには少し疑問の残るものだった。しかも、大半が暗いシーンでCGの粗さをごまかしてたし…
で、今回のシンゴジラ。
初代や84年版ゴジラの様に恐怖の象徴としてのゴジラが描かれている。
CGで描かれることになった事を利点ととらえ、時代にあった新しい発想を元に現代風にリメイクされたといった方がいいだろうか?少なくとも着ぐるみでは絶対に出来ない表現に挑戦している。
監督の庵野秀明。代表作はエヴァンゲリオンでの監督、ジブリ映画の風立ちぬでは何故か声優をやった不思議な人。
島本和彦の大阪芸術大学時代の生活を漫画化したアオイホノオでは、主人公・焔燃(=島本和彦)のライバルとして登場し、アニメーターへの道を進むとともに授業の課題の一環でウルトラマンの自主製作映像作品を撮影している姿などが描かれている。
特撮はウルトラマン派。
スーツアクター(着ぐるみを来ている中の人)基準で語るのは基本。
そんな庵野がゴジラ…正直、第一報の時点では不安な印象を受けた。
しかし、実際映画の予告映像が流れたところから、その不安は杞憂なことであったと感じさせられた。
明らかに今までのゴジラとは毛色が違う予告、
恐怖の象徴としてのゴジラ。
.vsゴジラにありがちな怪獣プロレスではないのは明らかだった。
そして、公開日初日。
ネット上ではシンゴジラすげーー
の声が続々と聞こえる。
これは期待をするなという方が無理である。
実際、この前の土曜日に見てみると、
想像以上の作品だった。
ほんのちょっとネタバレになるかもしれないが、
今までのゴジラは初代が
唐突に芹沢博士という人がオキシジェンデストロイヤーというファンタジーな超兵器を出してしまった名残と
シリーズ全て初代の続編という設定だったため、メーサー(東宝特撮おなじみの戦車型レーザー)やスーパーXシリーズが活躍し、ゴジラと謎の新怪獣とのプロレスの後に平和になるテンプレート的な流れが出来る、ヒーローがいる『特撮』となっていたのに対して、
今回のシンゴジラはゴジラとの初の邂逅として描かれた事もあって、
極限までゴジラという一つの嘘に対して、
現実はどれだけ対抗できるか、
そして、日本の問題点をリアルなまでに浮彫にする日本人による日本人にのみ向けたメッセージ性の強いテイストになっている。
そのうえで、庵野特有の理屈っぽさが彼処に見受けられ、ゴジラという嘘が現実にあったら、まさしくこうなるのであろうと納得させられる。特撮とは何か?ゴジラとは何か?庵野の回答がコレなのだろう。
……ああっ!ネタバレして語りたい。。。
これは語りたくなる作品だよ。
他にも色々細かいところはあるよ。
ゴジラではお約束の、若手俳優達の無駄ラブコメやらよくわからないアイドルTheヒロインの不在。
ゴジラに破壊されるためだけのスポンサー看板の不在。
謎怪獣の不在。
唐突な子供向けへの笑いの不在。
徹底的にシナリオを濁しかねないスポンサーの意向が排除されている。
これは、50周年で新しいゴジラは作れないと敗北宣言したのに対して
そして思ったほどではなかったハリウッド版のギャレゴジに対して
新しいゴジラのために、金儲けよりも断固として新しいゴジラを成功させるという意志の表れの様にも感じる。
東宝の監督人選も同様だ。
東宝内部の人物では新しいゴジラは作れない。
だから、外部の人物である庵野を総監督に持ってきて
監督に平成ガメラ三部作の人を持ってきたのだろう。
スタッフも新エヴァのスタジオ・カラーの人ばかりだ・・・
そこにあるのは
正真正銘ゴジラのリメイク。
テイストのみをしっかり残した新しいゴジラを作る。
それだけの信念だったのだろう。
初代ゴジラ。
今見ても面白い作品ではあるが、戦争を生き延びた人たちへ向けられたメッセージでもあった。
そこは現代の日本人にはイマイチ伝わらない。
それを現代に、そのテイストを残すつつ、新しいゴジラを作る。
となると、題材は…
アレだよね。
2016年現在で同じメッセージを伝えれる題材はアレしかないよね?
……まあ、見れば、裏題材はすぐに何かわかります。
見てください。
本当にシンゴジラは凄いから…
ああっ、けど、語り足りない…
庵野だから出来た作品。
宇宙戦艦ヤマトのリメイクを作るとき、監督として庵野が候補に挙がって、
OPをどうするか?ってなった時に、庵野はオリジナル版のカットそのままで行くと言い切ったのに対して、最終的に監督になった人(出渕)が作った作品を庵野が見て、
『やられた』
と言わんとせしめたのに対する回答の様にも感じる。
他にも
他の庵野作品との比較とか
例の曲の使用とか
ああっ、語り足りん!
もう見ろ!
見るんだ!
この記事を見ている人はすぐさま見に行くのだ!!!
そして、ブログ主と語り合ってくれ!!!